作成日:2014/12/4
更新日:2014/12/5

昨日提示した「タカタ社製エアバッグのリコール問題」に関して、本日の動きがあったので追記します。

タカタ社のステートメントと公聴会

タカタ社は12月3日に「弊社エアバッグに関する今後の対応について」(現在は非公開)というステートメントを発表し、米下院の公聴会に臨みました。タカタ社のステートメントにおける、今後の取り組み内容については、以下の通りです。

1.独立した品質保証委員会を設置して製造工程を監査し、結果を公表
2.米国運輸省長官を経験した2名をスペシャル・アドバイザーに任命
3.リコール拡大に伴う代替品の生産能力を拡大するため、強力な措置を取る予定
4.これまでの教訓を最大限活かせるよう、一層努力

また、公聴会でも上院と同様、リコール対象は高温多湿地域が妥当という主張を繰り返していたようです。

現在入手できる情報が少ないのではありますが、事態を収拾するには弱いと考えます。一番の問題は自動車会社各社が拡大リコールするなら協力するという姿勢を見せつつ、リコールの全米への拡大を主体的に支持しなかったことです。リコールそのものは自動車会社が届け出るものですが、リコールするよう積極的に働きかけるような姿勢であれば風向きは変わったかもしれません。

また、ステートメントの内容についても消費者が安心感を得られるような内容に達していないと感じます。タカタ社は回収したインフレータの試験や分析に一層注力すると言っています。マニュファクチャリングの世界では妥当な対応なのだと思いますし、解決に向けて努力していることは感じ取れます。しかしながら、消費者が知りたいのは今現在走行している乗用車は安全なのかどうなのかであり、これに対する回答は根拠も含め、未だ明示されていないのではないでしょうか。

一方、自動車会社側の対応ですが、公聴会の場でホンダ社が全米の拡大リコールを表明したのに続き、トヨタ社が問題の原因が特定されていないエアバッグ搭載車両についてもリコールすることを国土交通省に届け出たとのことです。
また、トヨタが自動車業界全体で独立の第三者機関を設置してエアバッグ問題の調査を行うことを提案し、他の自動車会社も賛同する見通しの様です。この動きの背景として、タカタ社が最大限協力していると主張する情報提供の面で、自動車会社側は満足していない可能性があります。つまり、トヨタにはトヨタに出荷した製品に関する情報、ホンダにはホンダに出荷した製品に関する情報、というように、各自動車会社は自社に関する情報しか入手できず、全体像がわからないのではないかと想定されます。
こうした報道を見ると、各自動車会社は独自に事態収拾を図ろうと模索を始めたようであり、タカタ社にとって厳しい状況が続きそうです。

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